超詳しい卒塔婆のおはなし~その2~卒塔婆の形と意味について

こんにちは「卒塔婆屋さん」代表の谷治です。今日は卒塔婆の形の意味についてお話します。
お墓の建立と卒塔婆をセットにし、故人の供養に努めている人も多いでしょう。ところで、木材で作られた卒塔婆の形にはどんな意味があるのかご存じでしょうか。大切な個人の供養に用いられる卒塔婆ですので、その形の意味もしっかり理解しておきたいところですよね。今回は、そんな卒塔婆の形についてご説明します。
卒塔婆の原型は「五輪塔」
卒塔婆は仏教の生まれ故郷であるインドが発祥で、その語源もサンスクリット語の「ストゥーパ」から来ています。ストゥーパはもともとお釈迦様の遺骨を納めた墓塔で、仏教を信奉する有力部族の首長のお墓としても用いられてきました。今でこそ卒塔婆は木製の簡素なものですが、古代では三重塔や五重塔のような大規模建築物も珍しくありませんでした。
五重塔は、やがて「五輪塔」と呼ばれるようになります。この五輪塔の形状には古代インドの宇宙観が反映されていますが、今の卒塔婆の形状はこの五輪塔が原型であるといわれます。
五輪塔の意味と形
五輪塔は、上から宝珠型の「空輪」、半円型の「風輪」、台型の「火輪」、球型「水輪」、長方形の「地輪」というように、5つの形によって構成されています。古代インドにおいて、宇宙は5つの元素(空・風・火・水・地)によって構成されると考えられてきました。人間の世界にもこの真理が生かされた結果、五輪塔の造成にもその哲学が反映されるようになりました。現代の卒塔婆も、よく見ると五輪塔の形状をモチーフにして作られたものであることが分かります。
卒塔婆の表には、仏教の宇宙観をモチーフにした「梵字」が描かれています。現代の卒塔婆においても、古代仏教の考えはしっかり受け継がれているのですね。
その形にも意味がある
日本において、五輪塔による供養は、平安時代の中頃、密教を信じる宗派の中で生まれたという説もあります。あの小さな木製の卒塔婆の形には、壮大なスケールの宇宙観がモチーフになっていることを考えれば、とても興味深くなりますね。
卒塔婆は現在も多くの墓地や霊園などで目にしますが、その形にもしっかりとした意味があるということがお分かりいただけたと思います。こうした意味を理解することで、それまで以上に深い供養ができるかもしれません。
五輪の形にも色々ある
卒塔婆に刻まれている五輪についてはお分かりいただけたと思います。「卒塔婆屋さん」で出荷している卒塔婆の殆どは、この五輪の形です。しかし、中には違った刻みを付けたものもあります。通常の卒塔婆を弊社では五輪型と呼ぶのに対し、下の写真に有るような法華型と呼ばれる卒塔婆もあります。また、五輪型と法華型を合わせた様な刻みもあります。通常の五輪型でも、業者やサイズごとに刻みの間隔が違います。慣れてくると、どこの業者が作った卒塔婆か検討がつくようになります。また、「卒塔婆屋さん」ではお客様のオーダーメイドで五輪の間隔を、現在お使いの卒塔婆と同じに出来ます。

まとめ
今日は卒塔婆の象徴でも有る、独特な形についてお話しました。今度、法事の際などは卒塔婆を良く見てみると面白いと思います。明日は卒塔婆に書かれる文字の意味についてお話します。
この記事を書いた人
DAISUKE YAJI
プロフィール
1999年3月 筑波大学第一学群自然学類数学科卒業
1999年4月 株式会社セブン&アイHD入社
2011年10月 株式会社セブン&アイHD退社
2011年11月 有限会社谷治新太郎商店入社
2012年12月 有限会社谷治新太郎商店代表取締役就任
2019年 カラーミーショップ大賞2019にて地域賞(東京都)
2020年 カラーミーショップ大賞2020にて優秀賞
2023年 ネットショップグランプリにて特別賞授賞
2024年 次世代コマース大賞にて大賞授賞
義父・義母・妻・長男・長女・次女・猫3匹の大所帯
趣味はゴルフ、月1回はラウンドしています。
