お寺の五重塔とは

こんにちは「卒塔婆屋さん」代表の谷治です。
すべてのお寺ではありませんが、観光名所になるような大きなお寺では、五重塔があるところも多いです。
五重塔はなぜあるのでしょうか?
今日は五重塔についてお話します。
五重塔は有名ですが、日本には二層の「多宝塔」、三層の「三重塔」などが存在します。
五重塔は造形も美しく、仏教建築の中でも評価が高く、法隆寺、東寺、興福寺など国宝に指定されているものも多いです。
仏塔の起源は、お釈迦様の遺骨を埋葬したストゥーパ(塔)です。
お釈迦様の墓標は縦長ではなく、古代インドでは一般的であった、饅頭型の墳墓でした。
この饅頭型の墳墓には傘上の装飾物が屋根に付けられていました。
古代インドでは、貴人を強い日差しから守るために日傘を使う習慣があり、お釈迦様を敬うインドの人々がお釈迦様が暑さをしのげるように付けました。
この当時の傘は非常に小さく、墳墓の上に立てらたアンテナのような感じでした。
仏教がインドから中国、朝鮮へと伝わる間に形状が変化し、傘の部分がどんどんと大きくなり、多層構造の塔になっていき、日本に伝わったときには五重塔となっていました。
次第に仏教的な世界観を表すと解釈されるようになりました。
上から空・風・火・水・地を表すと解釈され、卒塔婆の五輪の由来にもなりました。
初めから世界観を表わしていたわけではないのが面白いところですね。
仏塔にはお釈迦様の遺骨が納められていることになっているが、当然、集めることは難しく、代用品として貴金属や水晶、動物の骨などが用いられました。
大日如来と四方仏を祀る真言宗の仁和寺や、法華経に基づき多宝如来を敬う日蓮宗寺院などは仏像や経典を納入しています。
阿弥陀如来のみへの信仰を旨としている浄土真宗のように、釈迦由来の仏塔を建てないこともあります。
こうして、仏塔の由来を知った上で、観てみると面白そうですね。