創業明治十五年 卒塔婆・角塔婆・墓標・経木塔婆 「卒塔婆屋さん」本店

卒塔婆の保管方法はお寺ごとにまちまちです。最適な保管方法についても、なかなか書いてあるものが無く、いざ使って見ようと思ったらカビが生えていた、反りが出てしまったなどの経験を持つお寺関係者の方も多いと思います。木材は天然資源なので、長い年月保管すると、どうしても劣化は避けれません。しかし、適切に管理することで、より長く、お使いいただけるようになります。卒塔婆の劣化の原因と適切な管理方法について解説します。

卒塔婆の劣化の種類と原因

木材の調湿作用による膨張と収縮に起因する反り・ひび割れ

卒塔婆は木材を使用しています。木材は切り出されたあとも生きていて、呼吸をしています。湿度が高いときには湿気を吸って膨張し、乾燥している状態では湿気を吐き出すという木材には調湿作用があり、木材の形状も調湿作用に合わせて湿気を吸う時には膨張し、湿気を吐き出す時には収縮します。

卒塔婆は無垢の木材を成形しただけで、釘や補強材を使うことも出来ないため、意識して保管していないと、調湿作用による膨張・収縮により反りが生じます。卒塔婆には柾目の板材を使用するため、板目の板材に比べると反りは起こりにくいですが、極端に乾燥しているなど環境によっては反りが生じます。

卒塔婆に使用される木材は、木材内部の水分量=含水率を30%程度に乾燥しています。

日光による変色

木材に太陽の紫外線が当ると日焼けを生じます。紫外線が木材中の成分と反応し、吸収・分解されることにより、色が変化することが原因です。住宅の柱や床はエイジングと言って、この色の変化を楽しむことも多いですが、卒塔婆に関しては出来るだけ変色は避けたいところです。

カビによる汚れ

換気が行き届いていないところで保管していると、カビが必ず発生します。カビによる汚れは、初期段階では表面だけなので、拭き取ったり、かんなをかければ取れますが、時間が経つと木材内部にまで侵食し、取り除くことは不可能になります。

卒塔婆の最適な保管方法

卒塔婆の劣化の種類や原因が分かったので、この原因となる状況を回避すれば、劣化を最小限にすることが出来ます。卒塔婆の最適な取り扱いについて、卒塔婆が届いてから順を追って解説します。

商品が到着後

卒塔婆は、配送中の破損防止のため、厳重に梱包した状態でお届けします。この状態は破損や紫外線による変色は防げる反面、調湿作用による反りやひび割れには弱いという特性があります。

到着後は、すぐにお使いいただくか、暗所かつ湿度が一定に保てる倉庫にしまっていただければ、梱包を解かずとも劣化は起きにくくなります。

日光に関しては、梱包のままでしたら防げますので、最大の敵は湿度となります。

湿度は、梱包してあっても、内部にまで入り込み、使う時に開けてみたらカビだらけということにもなりかねませんので、くれぐれもご注意ください。

印刷された卒塔婆の場合は、一旦、卒塔婆を外に出して、風に当ててから、もう一度しまっていただくことを推奨します。

印刷後は、インクが硬化する温度で完全乾燥をして裏写りが無いように最新の注意を払っていますが、印刷した状態の卒塔婆が密着した状態ですと、木材の水分量や湿度により、裏写りが生じることも考えられます。

在庫になった場合

卒塔婆は使い切ることが一番ですが、突発的に必要となることも多く、ある程度は在庫として持っておく必要があります。在庫を保管するにあたり、場所と方法の2つが重要になってきます。この場所と方法を間違えてしまうと、短期間であっても卒塔婆にカビ、日焼け、反りなどの劣化が生じてしまします。適切な場所で、適切な方法でできる限り劣化なく長持ちさせましょう。

在庫を保管する最適な場所

光を遮断し、湿度が一定の場所が理想です。倉庫に窓がついている場合は、遮光カーテンや卒塔婆に光を通さない布をかけておくと良いです。湿度は乾燥よりもどちらかというと多湿を避けてください。換気扇や空調があったほうが良いです。窓があれば、定期的に空気を入れ替えてください。

梱包されたダンボールのままでも問題ありませんが、印刷の場合、十分に乾燥をさせてますが、インクの水分でダンボール内の湿度が上がってしまうおそれがあります。お手数ですが一度卒塔婆を取り出して、乾燥を確認後ダンボールにお戻しください。

保管方法

卒塔婆は柾目なので反りは起こりにくいですが、長くて薄いので、立てて置くと、縦方向に反りが発生します。卒塔婆を寝かせて積み上げて、上から重しをすると一番効果的です。そこまで長期間(3年間~)でなければ梱包されたダンボールのままで問題ありません。

まとめ

卒塔婆の劣化の種類や原因、最適な保管方法について解説しました。しかし、木材は自然の生きている素材なので、完全に劣化を防ぐということは不可能です。できる限り、早めに使い切って、在庫も最低限しか持たないことが一番です。

卒塔婆屋さんでは、お客様の倉庫代わりとして、使っていただけるよう、小ロット(バラ売り)や予約注文(ご注文後2ヶ月以降であればご指定日にお届けします。また、お届けの1ヶ月前でしたら変更可能です。)といったサービスも展開しております。これらのサービスを最大限活用していただき、いつでも出来たての卒塔婆で気持ちよくご利用していただければ幸いです。


この記事を書いた人

Daisuke Yaji

「卒塔婆屋さん」代表

プロフィール

1999年3月  筑波大学第一学群自然学類数学科卒業
1999年4月  株式会社セブン&アイHD入社
2011年10月 株式会社セブン&アイHD退社
2011年11月 有限会社谷治新太郎商店入社
2012年12月 有限会社谷治新太郎商店代表取締役就任
2019年    カラーミーショップ大賞2019にて地域賞(東京都)
2020年    カラーミーショップ大賞2020にて優秀賞
義父・義母・義妹・妻・長男・長女・次女・猫3匹の大所帯
最近NVANを5年リースで手に入れたのでソロキャンプや車中泊に挑戦したい

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代表あいさつ

はじめまして「卒塔婆屋さん」代表の谷治と申します。
「卒塔婆屋さん」にお越しいただき誠にありがとうございます。
お客様との奇跡的なご縁に感謝し、誠心誠意対応いたします。

私の経歴

私は、もともと日の出町とは縁もゆかりもなく、大学卒業後都内でサラリーマンをしていました。
実は、生まれも育ちも同じ東京都なのですが、日の出町を知りませんでした。
日の出町の方ごめんなさい。
結婚を期に、妻の実家に婿として入りました。
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所在地


「卒塔婆屋さん」本社 (有限会社 谷治新太郎商店)
〒190-0181 東京都 西多摩郡 日の出町 大久野 3318


弊社本社・工場のある日の出町は、東京都にありながら自然が豊かで、春には桜並木、夏にはバーベキュー、秋には紅葉狩り、冬にはクリスマスイルミネーションに近県より多くの人たちがやって来ます。
もともと日の出の山々にはもみの木が自生しており、この木を使って卒塔婆を作り、江戸の寺院に納めていたことから、日の出町の卒塔婆製造におけるシェアは全国の6~7割ほどとなっています。

超詳しい卒塔婆のおはなし~その10~卒塔婆のまち日の出町

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