超詳しい護摩札のおはなし~その5~護摩札の規格について

こんにちは「卒塔婆屋さん」代表の谷治です。今日はウォーキングのコースを変えてみました。車で通り過ぎるだけでは分からない、発見が沢山あり面白いですね。さて、超詳しい護摩札のおはなしも5回目となり佳境に入りました。費用や材質などより具体的なお話をします。
護摩札の費用について
サイズによって異なりますが、およそ3,000円~30,000円の費用となります。
護摩札の「尺」や「寸」とは
護摩札のサイズを示す際には、センチメートルやミリメートルのほかに「尺(しゃく)」や「寸(すん)」という単位が使われています。これは尺貫法における長さの単位であり、日本では1寸=訳30.303mmとされています。寸をさらに10分の1にしたのが「分(ぶ)」、10倍したものが「尺」となります。
つまり、1尺の護摩札の長さは、30.3センチメートルとなるわけです。
この寸や尺の単位は、護摩札や卒塔婆のような仏具のほかに、日本刀や住宅などにも使われています。
参考までに、「卒塔婆屋さん」で常時取り扱っているサイズは以下の通りとなります。
護摩札7寸5分×62mm/46mm×7mm(10体入)
護摩札8寸×62mm/50mm×7mm(10体入)
護摩札1尺×70mm/58mm×7mm(10体入)
護摩札1尺2寸×70mm/58mm×7mm(10体入)
護摩札1尺3寸×75mm/62mm×9mm(10体入)
護摩札1尺5寸×100mm/80mm×14mm(10体入)
護摩札1尺7寸×105mm/90mm×15mm(10体入)
護摩札1尺8寸×105mm/90mm×15mm(10体入)
護摩札2尺×105mm/90mm×15mm(10体入)
護摩札の大きさは祈願料で決まる
実際に護摩祈祷をしてもらう場合、基本的にいただける護摩札の大きさは、祈願料によって異なります。下記で実際に寺院を例に出しながら、護摩札料(祈願料)の価格をいくつかご紹介します。
川崎大師
先ほどもご紹介した川崎大師。
川崎大師では、祈願料ごとに、お護摩、大護摩、特別大護摩と分けられており、護摩札は5種類あります。
祈願料5,000円:36cm
祈願料7,000円:40cm
祈願料10,000円:45.5cm
祈願料20,000円(大護摩):45.5cm
祈願料30,000円以上(特別大護摩):51.3cm
上記のような木札のほかに懐中紙札も用意されており、高さは16.2cmとなっています。
深大寺
深大寺(じんだいじ)は、東京都調布市に位置する天台宗別格本山の寺院で、「深大寺だるま市」などで有名です。毎年7月中旬には、深大寺鬼燈まつり(ほおずき祭り)が行われ、深大寺界隈全体がいっとう賑わいを見せるとのこと。
そんな深大寺の護摩札は、祈願料によって5種類用意されています。
祈願料3,000円:12cm(ステッカーつき、交通安全車両札)
祈願料3,000円:36cm
祈願料5,000円:40cm
祈願料10,000円:46cm
祈願料20,000円以上:52cm
村松山 虚空蔵堂
村松山虚空蔵堂(むらまつさんこくうぞうどう)は、茨城県にある真言宗富豊山派の寺院です。本尊は弘法大師作の伝承を持つ虚空蔵菩薩で、地元民には「虚空蔵さん」と呼ばれ親しまれているそうです。
虚空蔵堂でも護摩祈祷を行っています。
祈願料は5,000円、10,000円、20,000円以上となっており、祈願料によって護摩札の形や、お供え物の種類が異なります。
護摩札の材質について
次に、護摩札の材質についてご紹介します。
木板の護摩札には、シロマツやモミなどのマツ科の木が使われることが多いです。
「卒塔婆屋さん」本店で迎えることができる護摩札にも、主にルーマニア産白松やドイツ産もみなどが採用されています。
シロマツについて
白松/シロマツは、聖木としても扱われることが多く、中国北西部を原産とするマツ科の樹木です。ほかのマツの仲間と比較すると寿命が長く、成長しきった老木は独特な風格を持っています。そのため中国を中心にアジアでは、シロマツを「長寿の象徴」あるいは神聖な木として、寺院などの宗教施設や墓苑に植えられていることが多くあります。
神聖なシロマツですが、実は日本に自生していません。そのため現在寺院や公園などに植えられているシロマツは、江戸時代から大正時代にかけて中国から輸入されたものなのです。
ガーデニング用の木としてはあまり流通しておらず、一般家庭の庭で植えられていることはほぼありません。
また「シロマツ」という名前の由来は、この特徴的な樹皮にあります。幼木のうちはまだ褐色や深緑色の樹皮をしていますが、樹齢20年を超えたあたりからは樹皮が剥離し、プラタナスのような斑模様が現れます。さらに成長すると、光沢のある淡い灰色に樹皮が変化し、幹の表面はひんやりとした冷たい感触をしているそうです。一般的なマツの木は、ゴツゴツ、ゴワゴワした茶色~焦げ茶色の幹をしていますが、シロマツはそれよりも上品で清楚な雰囲気がありますよね。神聖な寺院のイメージにまさにぴったりの樹木なのです。
モミについて
モミの木もシロマツ同様にマツ科植物の仲間です。クリスマスツリーに使われている木でもあり、日本人にとっても馴染み深いですよね。
モミの木は温暖な地域でよく育ち、分布は日本海側に少なく、山地によく自生している針葉樹です。混交林(こんこうりん:2種以上の木からなる森林)に生え、モミ単体の純林はあまり見られません。なかでもツガの木と混交することが多いようです。枝は水平に張り出しており、若い間は円錐形、老齢になると広卵状円錐形を取ります。
モミの木は短命です。その理由は、幼木のうちは陰樹で光を必要としないため成長が遅く、樹齢10年を過ぎるころから陽樹となり、きわめて早くなるためです。樹皮は壮齢で灰色となり、老いとともに暗灰色へと変化、最後には鱗片状に浅く割れて剥げていきます。
仏教とマツの木
護摩札の素材について紹介したついでに、仏教とマツに関わる豆知識をご紹介します。
聖書でぶどうの木がキーワードであるように、仏教にも、神聖とされる樹林が存在しています。神聖視される植物のひとつに、先述のシロマツがあることをご存知でしょうか。
シロマツは仏具「鈷」にちなんで別名を「三鈷の松(さんこのまつ)」と言い、大切にされています。
弘法大師が唐の国より、三鈷杵と呼ばれる密教法具を東の空へ投げたとき、それは高野山のマツの木に引っかかりました。「密教を広めるのにふさわしい土地へ行くように」と願いを込めて投げられた三鈷杵が落ちた場所として、高野山が真言密教の道場を開く場所に選ばれたというわけですね。
日本で一般的なクロマツやアカマツの葉は2本1組ですが、シロマツの葉は3本1組が基本。
雌雄異花で4~5月にかけて開花し、マツボックリは翌年の秋に熟します。花やマツボックリはクロマツなどと違いはありませんが、少々小さい様子です。種子は食用や薬用としていただかれています。
仏教植物「五大聖樹」について知っておこう
植物つながりの豆知識ですが、仏教のなかには「五大聖樹」と呼ばれる5つの樹木があります。
・無憂樹(むゆうじゅ)…マメ科の植物。マーヤー夫人がルンビニ園に生えた無憂樹の下でお釈迦様を生んだとされています。名前の通り、人々の悲しみや憂いの気持ちを無くす木だと信じられています。
・閻浮樹(えんぶじゅ)…フトモモ科の植物。お釈迦様が少年時代に初めて瞑想を行ったのがこの閻浮樹の下なのだそう。
・菩提樹(ぼだいじゅ)……クワ科の植物。お釈迦様が悟りを開いた場所が、この菩提樹の下でした。日本の寺院に菩提樹として植えられているものとは別物のことが多いそうです。
・尼拘律樹(にくりつじゅ)…クワ科の植物。梵天勧請の木で、この木の下で仏教伝道の説法を決心しました。
・沙羅樹(さらじゅ)…フタバガキ科の植物。沙羅の花が舞い散る中で、お釈迦様は涅槃に入ったとされています。
なかなか聞き慣れない木が多いですが、最後の「沙羅樹」は、実は私たちにとても馴染み深い植物なのですよ。平家物語の冒頭を思いだしてみてください。
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の断りを表す」
ここに出てくる「沙羅双樹」と、お釈迦様は入滅に至った「沙羅樹」は同じ植物なんですよ。
護摩札はどこで買う?
護摩札は、基本的に寺院で護摩祈祷に参加したあと、不動明王のご分霊を宿したものをいただいてから帰宅します。また、遠方に住んでいる人のために、力を宿した護摩札を郵送で送る支援をしている寺院も数多くあるようです。
護摩祈祷に参加せず頂く場合、通販や専門店を利用する方法があります。
仏具店のほかに、「卒塔婆屋さん」のように、インターネットを通じて販売を行っているところもあるので、チェックしてみてくださいね。
「卒塔婆屋さん」がお届けする護摩札
明治15年に創業して以来、現代まで良質な卒塔婆作りにこだわる当店、「卒塔婆屋さん」では、護摩札にも自信を持って製作しています。卒塔婆屋さんの護摩札は、水引製品の全国シェア7割を誇る長野の職人に、一体一体丁寧な水引掛けを依頼しています。
絵画や工芸において、丁寧に時間をかけて色塗りや模様起こしを行うことを「祈り」だと表現されるように、手作業で護摩札製作をすることにも深い意味があるのです。大量生産ではなく、ひとつひとつ丁寧に水引掛けをすることで、見た目も美しく真心が詰まった護摩札をお届けしています。
飯田水引とは
長野県下伊那の飯田地方で伝えられてきた水引のことを「飯田水引」と呼んでいます。強く、丈夫な和紙で作られた水引は、江戸時代から続く伝統工芸。今でもその伝統的な手法を変えることなく、和工芸らしい雅さや美しさを引き立てています。
伝統工芸とのコラボレーション
明治から続く卒塔婆屋さんの護摩札と、元禄時代から継承された飯田水引とのコラボレーション。それはまさに、伝統工芸の融合ですよね。
伝統工芸というと、なんだか堅苦しく、少し取っつきにくいイメージがあります。とくに、現代ではゲームやサブカルチャー・ポップカルチャーと呼ばれる新しい娯楽様式が若い世代に浸透し、なかなか伝統工芸に興味を持ってもらえる機会は少ないというもの。しかし伝統工芸というものは、歴史に詳しくなくてもその見た目の雅さや機能美を直感的に楽しむだけでもよいのです。護摩札と飯田水引のように、日常的なお祈りや願掛けのなかで伝統工芸に触れられるというのは、とても素敵な機会。ぜひ護摩札をきっかけに飯田水引や工芸品について少しでも知っていただけると嬉しいですね。
いかがでしたでしょうか、護摩札も卒塔婆と同じく尺・寸という単位を使います。慣れてしまうと、尺寸単位のほうが真っ先に思い浮かぶようになります。明日は護摩札の置き場所について解説したいと思います。
この記事を書いた人
DAISUKE YAJI
プロフィール
1999年3月 筑波大学第一学群自然学類数学科卒業
1999年4月 株式会社セブン&アイHD入社
2011年10月 株式会社セブン&アイHD退社
2011年11月 有限会社谷治新太郎商店入社
2012年12月 有限会社谷治新太郎商店代表取締役就任
2019年 カラーミーショップ大賞2019にて地域賞(東京都)
2020年 カラーミーショップ大賞2020にて優秀賞
2023年 ネットショップグランプリにて特別賞授賞
2024年 次世代コマース大賞にて大賞授賞
義父・義母・妻・長男・長女・次女・猫3匹の大所帯
趣味はゴルフ、月1回はラウンドしています。
















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