なんで卒塔婆がECで売れるんだ!

こんにちは「卒塔婆屋さん」代表の谷治です。

最近、各種メディアからの取材依頼が増えてきました。

そこでよく聞かれるのが「卒塔婆ってECで売れんですね」とか「ニーズがあるんですね」「どんなカラクリがあるんですか」といったことです。

私も当初は、全くノープランでとりあえずECを始めたので、後付ですが、ちょっとこの辺りの疑問に関して検証してみました。

ニッチな産業だからこそ売れる

1つ目はニッチな産業だからこそチャンスがあったということです。

「いやいや待ってくださいよ!ニッチな商品って市場規模が限られていて、ネットで広く販売しても意味ないでしょ!」

これはまともな考えです。

かつての私もそうでした。

勝算ゼロからのスタートでした。

逆に考えて、市場規模が大きいところ、例えばユニクロのようなベーシックな洋服(超巨大市場)で名もなき業者がECサイトをオープンしたとします。

ユニクロに勝てますか?

勝てるわけが無いですよね、企画力、生産力、価格など絶対に勝てるわけがありません。

では洋服で勝つためにはどうするか

ターゲットを極限まで絞っていき、具体的にこういった人というペルソナまで落としていく必要があります。

ペルソナとは、例えば私をペルソナ化すると「45歳男性、子供3人、町工場を経営、趣味はウォーキング、仕事は現場もあれば営業もある、最近ダイエットに成功」となりますね。

ペルソナとは実際にこういう人に買ってもらいたいと、年齢、性別、居住地、職業、家族構成、趣味、悩みなどなど、すごく細かいところまで想定した人物像です。

そうするとこの私をペルソナと見立てた場合、こんな服の提案ができます。

「パット見はスーツだけど、実はジャージ素材の作業服、ズボンのアジャスターで体型の変化にも対応、クリーニング不要洗濯機で普通に洗える、現場でも来客時もこの一着で決まり!」

実際に、最近こういった服が販売され話題になりました。

ここまで、行けばどうでしょうか、勝算ありそうですよね!

結局は、扱うカテゴリーの市場規模が大きくなればなるほど、そこは超巨大企業の縄張りであり、あとから、そこで勝負しようとしても100%負けますよね。

市場規模の大きなカテゴリー内においても、勝てるところは結局ニッチな部分になってくるのです。

卒塔婆は始めからこの条件をクリアしていますね。

さきほどお話したペルソナについても、卒塔婆という商品の属性上、お寺で利用するものであり、気にするのは購買層の年齢くらいでしょうか。

年齢層によって文字のサイズなど視認性を高める、ネット通販に慣れていなければ、購入の仕方をわかりやすく説明するといった、商品よりかはサイトのデザインや使いがってを考慮するために必要になる程度です。

商品に対してペルソナを設定するのは難易度が高いので、この部分をスルーできるのは大きいです。

さらに、ニッチであり、古い産業であるがゆえ、馴染みの業者からの購入が基本であり、新たにネット以外で卒塔婆製造業者を探すことが非常に困難であり、見つけるとなるとネット一択となります。

例えば、絶対に緩まないネジが欲しい場合、電話帳でネジ作っている会社調べますか?

調べませんよね。

ほとんどの人はネット検索で「緩まないネジ」とか「緩まないネジ 製造」みたいに調べますよね。

市場規模が大きいカテゴリーの場合、先程のユニクロのようにいちいち調べなくても、ほとんどの人は知っていますね。

ECであれば、Amazonとか楽天ですよね。

大企業は宣伝に莫大な金額を投入しているので、いちいち「ベーシックな服」なんて検索せずに、いきなりそのお店やサイトに行ってしまいます。

リピート率が高い

これは、ネット通販だけではなく、リアルなお店に言えることですが、新規の顧客に来てもらうには、エネルギーがいるんですね。

先ずは知ってもらって、なんとか購入してもらおうとクーポンを配ったり、必死に口説き落とす必要があります。

これには、当然宣伝費や割引などコストがすごくかかります。

一方、1回購入してもらった顧客に2回、3回と来てもらうのはそれほどコストはかかりません。

美味しいものだったり、品質がよく適正価格だったり、アフターフォローが行き届いていれば、大丈夫です。

ただし、大型家電や家具などはいくらこれらがしっかりしていても、そうそう買い換えるものでは無いので、リピーターと言っても、スパンが10年とか20年となってしまいます。

ちょっと話はそれますが、家庭用のインクジェットプリンターってあるじゃないですか。

本体は1万円でも普通に使う分には充分な性能のものが手に入ります。

その機能からすると安いですよね。

しかし、インクのカートリッジて純正だとセットで3,000円とか普通にします。

本体に比べて高いイメージです。

このカートリッジが曲者で、結構な頻度で無くなるんです。

そうすると、同じプリンターを使い続ける限り、カートリッジを定期的に購入する必要があり、年に4回交換すれば、本体価格を上回ってしまいます。

本体だけではメーカーはほとんど儲からないか、赤字でしょうね。

このカートリッジで大きく儲けるビジネスモデルなんです。

要するに、最初にプリンター本体を安売りしてでも購入さえしてもらえば、強制的にインクカートリッジをリピートしてもらえ、充分儲かる仕組みです。

リピーターの存在はいかに大きいか分かります。

卒塔婆にはなしを戻すと、卒塔婆は法事やお彼岸などの行事で1回使ったら、お焚き上げして燃やしてしまいます。

そうなると、次の行事にはまた必要になります。

だから、一度購入していただいたお客様に満足していただける品質やアフターフォローをしっかりしていれば、EC業界でトップクラスのリピート率になります。

お陰様で「卒塔婆屋さん」のリピート率は86%と非常に高いです。

EC業界では、LTVという指標が一番重要だといわれていて、LTVとはLife Time Valueの略で日本語では顧客生涯価値といい、一人の顧客が生涯に渡りどのくらい、一つのサイトで購入してくれるかという指標です。

LTVを高めるには、当然リピート率が最重要となっています。

卒塔婆はLTVも高いことは言うまでもありません。

大手ECサイトが手を出せない

「卒塔婆ってECサイト向きなのは分かった、だったら、Amazonとかが自社で販売しそうじゃない。」

たしかに、Amazonは既存小売業を駆逐している印象ですね。

しかし、Amazonが得意としているのは、NB商品というものです。

NB商品とはナショナルブランドの略で、大手メーカーが一般的に作っているものです。

このNB商品をどこよりも大量に仕入れることで、どこよりも安く仕入れ、どこよりも安く売ることが得意です。

NB商品はどこで買っても同じなので、当然一番安いところが選ばれます。

価格の安さが二番手以下では駄目なのは当たり前ですよね。

一方でPB商品というものがあります。

これはプラベートブランドの略で、小売業であればその会社が開発、販売していてそこでしか買えない商品です。

最近は、スーパーやコンビニでもPB商品が増えてきました。

その背景には、NB商品の安売り合戦を繰り返してきた結果、疲労困憊してしまい、安売りではなく質で勝負するためにPB商品を増やしていこうという戦略に変わったことが大きいです。

Amazonでは、NB商品や日用品で安いことが求められる商品は非常に強いです。

しかし、ブランド品や工芸品に関しては今の所、弱い印象です。

高級腕時計やバックをAmazonで購入しようとはあまり思いませんよね。

こういった商品は接客やお店の雰囲気など、商品以外の付加価値を求めている人が多く、Amzonは幅広い商品を誰にでも分かりやすく購入してもらえるように、合理的にデザインされているので、悪く言えば、ブランドの雰囲気や特色などは感じられないですね。

卒塔婆もそうですが、伝統工芸品も同じで、ストーリーや接客といった付加価値が必要な商品です。

商品にかける想いや、商品の製造工程を詳細に伝えるといったことは、製造している本人から発信すること以上はありません。

Amazonもこのことはもちろん分かっていて、数年前にAmazonの方とお話ししたときも、伝統工芸品や一品物は得意では無いと言っていました。

ただ、こういった所も克服してしまう強さもAmazonはあるので、油断はできませんが。

さて、ここまで良いことづくめに見えますが、大きな問題点ももちろんあります。

問題点とは

卒塔婆はニッチ故に市場規模が非常に小さく、かつ、少子高齢化、人口減少、核家族化などにより、縮小しています。

近い将来、頭打ちになることは容易に想像できます。

これは、卒塔婆がECに向いている向いていないということではなく、そもそも市場が危機的な状況であるということです。

この問題に対しては、なかなか一企業では難しいので、業界全体、寺社仏閣を巻き込んで、対応していくしかありません。

まとめ

いかがでしたでしょうか、私もまったく売れると思ってはじめたわけではなかった卒塔婆の通販でしたが、後付で考えると、これほどまでにECと親和性の高い商品は無いのではと思うくらい、ECで売れる商品の条件を満たしていたんですね。

最後に、今日のおさらいです。

なんで卒塔婆がECで売れるのかは

ニッチな産業だから

リピート率が高いから

大手ECサイトが手を出せないから

という3点でした。

これに当てはまる商品があれば、もう無条件でECに参入したほうが良いです。

ECは先行者利益が大きい場所です。

一番最初に飛び込めば、勝率はぐんっと高まります。

ファーストペンギンになりましょう!

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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