伝統の技

皆様こんにちは「卒塔婆屋さん」代表の谷治です。酷暑も今日を我慢すればいいみたいなのでほっとしております。さて、今日は私たちがどの様な姿勢で仕事に望んでいるのかを少しご紹介させていただきます。

「卒塔婆屋さん」の歴史は、明治十五年に谷治新太郎により日の出の地で卒塔婆製造業を創業しました。当時は職人が一本一本母屋の屋根裏でノミを使って削っていました。今とは違い、一人の職人が全工程を行っていました。一人が製作できるのは100本/日が限界でした。現在では、加工機械の導入と製造工程のライン化により、一人で1000本/日は作れます。

機械は最初に設定さえしてしまえば、同じ寸法のものをいくらでも量産できてしまいます。経営から見ると、生産性も上がり、効率は格段に進化しました。しかし、一つ一つの製品に対する思い入れはどうしても希薄になってしまうと思います。ルーチンワークでこなす仕事となってしまいます。私は社員に対して、私たちにとっては数千本、数万本のうちのたった一本でもお寺さんや檀家さんにとっては、唯一の卒塔婆だから、気を引き締めて製作に当たるよう常日頃言っています。これは、私自身に対しての戒めでもあります。経営者は各種数値を毎日確認、検証し次の手を考えます。経営者は精神論ではなく、数値で具体的に語るべきとも思っています。しかし、ものづくりに対しての姿勢、魂を込める、感謝をするという精神的なものも同時に意識して行かなければならないとも思っています。精神論や根性論とは違います。お客様一人一人のことを考え、日々真剣に向き合う、その結果数値は付いてくるものと思っています。

卒塔婆製造は、一見すると工程はシンプルで、ただ単に形にするのであれば、入社一日目の社員でも出来てしまいます。しかし、より良いものを作るとなると、非常に奥が深く、一朝一夕には行きません。例えば、木材には順目、逆目があり、鉋で仕上げる際も、これを意識しないといくら削ってもつるつるの表面にはなりません。鉋の刃の出方も凄くデリケートで、理想とする鉋屑である均一の厚みで破れが少なく、向こうが透けて見える様にするにはベテランの社員でも何回か調整する必要があります。ものづくりの醍醐味でもあります。

私たちが展示会などで掲示するポスターには、一本入魂!と大きく書かれています。こういった、想いを込めたキャッチフレーズなのです。

それでは、一本入魂の想いが詰まった、卒塔婆出来るまでの工程を御覧ください。

製造工程

写真は海外の製材工場です。工場の敷地には山のように丸太が積まれています。写真の様な山がずっと続いています。年に数回、私自身が足を運び山積みの丸太を選んで購入し、現地にてある程度のサイズまでカットしてもらいます。

創業当時は地元の山で良質なモミが採れましたが、その後日本全国、今では材料の殆どが海外からの輸入です。最近では、原点回帰して地元の山で採れた多摩産材でも卒塔婆を製造していますが、まだまだ少ないのが現状です。

丸太は太いほうが良質な卒塔婆を作るのには向いています。近年太い丸太は希少になって来ましたので、「卒塔婆屋さん」では、国内外の取引先を増やし少しで良い丸太を安定して買い付けられるようにしています。

ある程度のサイズにカットした板、通称山板は現地にて天日干しします。日本では乾燥機を使った方が良いですが、現地では乾燥機の性能も日本ほどではないので、時間をかけて天日干しをします。その方が、卒塔婆になった時に反りや割れが少なくなります。広大な敷地に板が干されている光景は圧巻です。

現地にて製材・乾燥させた山板は、その後等級の選別をし、規格毎に梱包され、コンテで日本に入荷します。選別も、非常に難しく現地を訪れた際、必ず指導をするようにしています。海外の人とコミュニケーションを取るのは大変です。最近は優秀な翻訳機もあるのでそれを使って、また身振り手振りでコミュニケーションをとっています。弊社に付いてからも更に選別も行い二重のチェックをします。

山板はプレナーという機械を通し、厚みと幅を卒塔婆のサイズに合わせていきます。刃の種類が異なるプレナーを2回通すことで、仕上がりに差が出ます。この機械は外装を鋳造されており非常に丈夫で、モーターや電子部品をオーバーホールしながら40年以上も使っています。高級車1台くらいの値段がしました。

プレナーが終わると、次は卒塔婆の形を整形していきます。先ずは頭の形をつけ、長さを整え、五輪を付け、足を付けます。この整形する際の刃の設定は、厳密に行います。端材を使って作ってみて、型と合わせ完全に一致するようにします。工場見学では、皆さん五輪をつけるところが一番人気です。YOUTUBEチャンネルでも視聴回数が伸びています。

五輪加工の動画はこちら→https://www.youtube.com/watch?v=zhEzHCEi3mE

形ができたら、表面を仕上げます。この工程が卒塔婆の完成度を左右します。「卒塔婆屋さん」では金属のようなつるつるな表面にします。こうすることで、文字を書く際に、滑りが良く、引っかかりがなく高価な筆を傷めることが無くなります。また、滲みも少なくなります。

仕上げた卒塔婆は面取りを行います。「卒塔婆屋さん」ではここはオプションとなっています。一本一本職人の手により面取をします。板の目に逆らわず行うことで、ささくれや割れが出ないように細心の注意を払います。

完成した卒塔婆をもう一度検品します。チェック項目に従って厳しくチェックします。

印刷をご希望のお客様にはスクリーン印刷を施します。お客様自身が書いた手書きの文字をそのまま複製できます。寺院様のご負担を大幅に軽減できます。滲みもほとんど有りません。最近は手書きにも対応しました。手書きは、書道家の方に一本一本書いてもらいます。印刷と違い戒名などそれぞれ異なる場合も対応出来ます。手書き対応している卒塔婆製造業者は「卒塔婆屋さん」唯一となっております。

こうして全ての工程を終えた卒塔婆は、輸送中に傷が付かないよう厳重に梱包します。

「卒塔婆屋さん」では出荷時にこの様なシールを貼って、配達してくれる人への感謝を伝えています。配送業者とも日々コミニケーションをとることで、丁寧に扱ってもらえます。

以上が卒塔婆が出来るまでの工程となります。こちらはショッピングサイトにも掲載しております。YOUTUBEチャンネルでは動画で観ることも出来ます。よろしければチャンネル登録の方もよろしくおねがいします。

「卒塔婆屋さん」YOUTUBEチャンネル

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