こんにちは「卒塔婆屋さん」代表の谷治です。

今年は、世界情勢により、私たち卒塔婆業界も大打撃を受けました。

卒塔婆と世界情勢はつながりが無さそうですが、弊社で卒塔婆に使用している材質は9割以上が海外から仕入れています。同様他社もほぼ同じだと思います。

もともとは、地元の山に自生していたモミの木を材料としていましたが、採りつくしてしまい、より早く成長する杉に置き換わりました。

その後は、日本全国から仕入れをするようになり、それも少なくなり、海外から調達するようになりました。

国産材は、杉や桧がメインであり、これらは特性から卒塔婆の材料としては扱いが難しく、色目なども敬遠されがちで、量的にも厳しく国産材のみを使うと言うのはいまのところ現実的ではありません。

さて、そんなわけで、海外調達がメインであるので、世界情勢の影響をモロに受けることになります。

アメリカでの住宅建設需要の高まりを受け、昨年は木材価格が高騰しました。これがウッドショックです。

今年に入り、ウクライナ情勢により、ロシア材が輸入できなくなり、需要が完全に供給を上回りどんどん仕入れ価格は上昇、更に追い打ちをかける様に円安で、トリプルパンチとなり、木材価格はコロナ前と比べ、1.5~2倍という異常高値となりました。

これでも、製材業者などがある程度吸収してくれている状態で、丸太自体は2~3倍の高値となっていることもあるとのことです。

卒塔婆は、木材そのものに少し加工を加えた程度なので、容量を減らす、節などが多い安い材料にするということがほとんどできず、製造段階においてもコストをカットできる余地がほとんどありません。

生産性を高めるため、人員配置や作業導線を色々と工夫し、改善していますが、異常な材料価格高騰を吸収できるほどのコストカットはできません。

そうなると、販売価格に転嫁えざるを得ず、今年に入り2回も値上げをしました。

本来であれば、値上げは2~3年に一度5~10%程度の値上げで緩やかに上がっていく感じですが、今年は15%、20%値上げと非常に心苦しい上げ幅となってしまいました。

幸い、お客様には事情を丁寧に説明し、ご理解をいただくことができました。

今後も円安は進むという見立てが大半で、材料価格も更に上がってくることは容易に想像できます。

そうなると、更に値上げをせざるを得ず、弊社だけではなく業界全体が非常に厳しくなることは明らかで、卒塔婆製造業は小規模で家族経営のところも多く、そこまでのリスクを取るのであれば廃業したほうが良いというところも出てくると思います。

弊社は、従業員の生活と全国4,000件以上のお客様もいますので、辞めるという選択肢はありません。

しかし、今後に備え、付加価値を上げる、卒塔婆だけではない事業の柱を育てていくことが必要と感じています。

「悲観的に準備し、楽観的に対処せよ」危機管理評論家の佐々淳行氏がよく言っていた言葉があります。まさにこの通りで、最悪のシナリオを想定し準備は二重三重に念には念をいれておき、いざ、起きてしまったら、ぐちぐち言っているのでは、「なんとかなる」と腹をくくって対処するしかありません。実際には、難しいですが、心構えとして持っておきたいです。

弊社も繁忙期を終え、今年の繁忙期の総括から検証、反省を踏まえ、現在様々な改善点をあげて、新たなサービスや仕組みを構築して行くつもりです。もちろん最悪なシナリオを想定して、念には念をいれています。