【2022年最新版】経営が上手く行っているお寺が必ず行っている檀家との付き合い方3選!
こんにちは「卒塔婆屋さん」代表の谷治です。
お寺を取り巻く環境は近年、大変厳しくなっていますね。
お取引先のお寺ではなしを聞いても、檀家離れや建物の老朽化などなどお寺の経営面で悩みを抱えているところが多い印象ですね。
人口減少、少子高齢化、核家族化、お寺の老朽化などに加え、近年のコロナウィルスにより、法事の減少などでますます厳しさが増すばかりです。
企業だけではなく、お寺だって経営は大変です。
「時代の流れや不可抗力でどうにもならない」
「なにから手をつければよいのやら」
「相談されるけど、自分は相談できる相手がいない」
「なにか良い方法はないのか」
このような思いを抱いているご住職必見!
私の結論としては檀家との良好な付き合いにつきるという所です。
「そんなことは分かっている、具体的にどう付き合っていくのか」
ご安心ください。私がいろいろなお寺のご住職と話したり見てきたなかで、うまく行っているお寺に共通していることについて、すぐにでも実践できる具体的内容をお伝えします。
目次
坊主丸儲けという誤解
「坊主丸儲け」という言葉は、ほんとこういうこという人って多いですよね。
大体がこういったことをいう人は
「お寺という法人が免税されている、丸々儲けじゃないか!けしからん!」というすご~く簡単な理由で「坊主丸儲け」という言葉を口にするのです。
しかし、お寺が免税されるのはごく一部で、あくまでも法人に対してで、住職自身の収入には所得税も地方税もかかります。
詳細はこちらの記事で書かれていますので、気になる方はごらんください。
実態は
お寺を経営する上で、やっていける檀家数(損益分岐点)は300件以上といわれています。
日本全国にお寺は文部科学省の宗教統計調査(平成28年12月31日現在)によると77,256件、日本の仏教徒は8,474万人であることから、お寺1件あたり1,096人となります。
世帯数で割ると、日本の平均世帯人数(2017年度)は2.47人なので、お寺1件あたりの世帯数は443.7件となります。
この世帯数がそのままお寺1件の檀家であれば、300件を超えているように見えますが、実際は世帯ごとに檀家にはなっていませんよね。
親がどこかの檀家であれば子供は別世帯だとしても、別の寺院の檀家ということはあまりないと思います。
また、大きな寺院などでは1,000件を超えている所もあったりするので、この300件という数字は、なかなか厳しい数字ではないでしょうか?
感覚としても、300件って凄い数だと思います。
このことから、多くのお寺が採算割れを起こしていることが予想され、実際に、住職が居ない寺院や維持できなくて廃寺となる例も増えて来ています。
寺院の収入は、檀家の年会費である護持会費(相場は1~2万円/年)と葬儀や法事に際してのお布施です。
300件の檀家がある寺院でこれらの収入は1200万円程度のようです。
「年収1200万円か充分儲けているじゃないか!」
いやいや待ってください!
これは宗教法人という法人の売上です!
お寺の総収入から、維持費や電気代、花代などなど一般企業と同じように経費として引かれます。
最後に残った分が住職の収入となります。
大体手取り400万円程度になるそうです。
住職一人であれば、日本の平均年収程度となります。お寺は住職一人で切り盛りをしている訳ではなく、奥様やご子息も一緒に家族で運営している場合が多く、世帯年収が400万円となります。
300件の檀家を要しても世帯年収が400万円であり、住職の生活がかなり厳しいことは、容易に想像がつきます。
ましてや、檀家が200件とか100件ではもはや、お寺の運営が成り立ちません。
実態についてはこちらの記事に詳しく書いてあります。
幼稚園経営など住職が副業をしているケースもこういった背景が起因しています。
これだけ、経営が苦しいとなると、跡を継ぐのも、継がせるのも、難しく、後継者不足に拍車がかかってしまいます。
普通にお寺を運営するだけでも大変なのに、老朽化した建物を修繕したりする資金を捻出することはできません。
そこで、檀家に寄付を集うわけですが、檀家にも余裕がなく、なかなか納得してもらえないという問題が生じます。
あまり、強く言うと「檀家辞めます」となり、ますます苦しくなってしまいます。
ここで、重要になってくるのは、お寺と檀家の日頃からの付き合いになってくると思います。
日頃から深く繋がっている人が困っていれば、なんとかしてあげたい、できる範囲でも協力したいというのが人情です。
では、どういった付き合い方をすれば良いのか、次章では私が様々なお寺のご住職とはなしをするなかで、とても上手くいっているお寺の檀家との日頃の付き合い方をご紹介します。
上手く行っているお寺が実践している檀家との付き合い方3選
今回こちらでご紹介する内容は、1件のお寺から聞いたり見たりした話ではなく、うまく行っているお寺が共通して行っていることになります。
不思議なことに、経営がうまく行っているお寺のご住職は揃って同じことをおっしゃていることが多く、これからお話する内容を実践すれば、経営がうまくいく可能性を高めることができます。
それではいって見ましょう!
コミュニケーション力がある
うまく行っているお寺に共通することで、一番は住職の人柄です。常に笑顔でとても穏やかな方が多いです。
ITをはじめ世界の情勢など新しいことに対しての好奇心が強く、常に新しい知識を学んでいるので、視野が広く、どんな人ともさまざまな話題ではなしができます。
檀家には多種多様な職業や立場の方がいます。
檀家の方と話をする際に、住職が話がしやすい雰囲気であり、話題の引き出しが多く、知らないことを知ろうとする知的好奇心が旺盛ですと、話す方としても心を開きやすくなるでしょう。
住職のお話しを聞きたいという檀家も多いと思いますが、一歩通行ではなく檀家の仕事の内容や趣味のことなど双方向のコミュニケーションをしているお寺が多いですね。
お寺が開かれている
経営が上手く行っているお寺は常に門が開放されており、ひとけが常にあります。檀家の方が気軽にお茶をしにくる姿もあります。
門を常に開放しているお寺の住職いわく「なんで門閉めちゃうかな、門をあけて、私は通りをみて、檀家の方いたら声かけて、よってきなよって呼ぶんですよ」
特に用事がなくても、住職と世間話で盛り上がって時間になったら帰って行くという檀家の方も多いそうです。
檀家の子供で両親が共働きの場合、学校帰りの子供を預かり、宿題を教えたり、ゲームを一緒に遊んだり、とにかく面倒見がよく、子供が大好きな住職もいます。
現代の寺子屋ですね。
儀式以外でも定期的にヨガ教室、座禅体験、写経体験、バーベキュー大会などイベントを開催しているところも多く、イベントの写真を見せてもらうと、参加人数がとても多く、皆ほんとうに楽しそうな様子で写っていました。
檀家さんへの応援、地域貢献も忘れない
檀家が経営しているお店にいって、SNSにアップしている住職もいます。
「今日は仲間の〇〇←ニックネームのお店で、美味しいカレーを頂きました!おすすめは・・・・」みたいに投稿しています。
また、PTAの役員や地域の見守り隊、消防団なども積極的に所属して、地域貢献をされている住職も多いです。
菩提寺の住職がこんな投稿してくれたら檀家としては嬉しいですよね。
私も職業柄、お寺や住職をSNSでたくさんフォローしていますが、こういった投稿は、「ああこのお寺の檀家さんはお寺と信頼関係がうまく行っているな」と感じます。
お寺の運営にITをフル活用
フェイスブックやインスタグラムといったSNSは毎日投稿しています。
内容は仏教にまつわるお話しなど固いものから、「今日はこんなに卒塔婆書いたので、自分へのご褒美にハーゲンダッツ!」「今日は家の長男の卒業式!父ちゃん感動して号泣!」みたいにとてもフランクで、住職といえど私たちと同じ人間なんだと親しみを持てる内容もあり、ほっこりします。
法要などをインスタライブなど動画配信したり、般若心経をわかりやすく現代語にしているユーチューバー住職もいます。
専業ユーチューバーにも引けを取らない、編集で楽しく学べる、ためになる動画をたくさん投稿している住職や副住職も多いです。
私がよくお話させていただく住職は70代なのにIT大好きで行くたびに「パソコンのグラフィクボードは〇〇が一番だな」「iPhoneは新型が出たらすぐに予約するんだ」とか、とにかく新しいもの・IT関連のはなしが大好きで、私が色々と教わっています。
新しいものに対して非常に柔軟で、まずは使ってみるという姿勢があります。
まとめ
いかがでしたか?寺院を取り巻く環境は厳しさを増していますが、一方で、檀家との付き合い方がとてもうまく、コロナ禍であっても、オンラインでの法事など新しいことにどんどんチャレンジし、運営も好調な寺院もあります。
上手く行っている寺院ではどんなことをしているのか、実際に私が見たり聞いたなかでご紹介しました。
もちろん、檀家数や地域性など他にも要因はあり、これら全てを実践したからと行って、すぐに良くなるわけではないと思います。
ただ、やはり上手く行っている寺院にはこのようなことが共通しているので、偶然とも言い切れません。
結局は人と人、自分がしてもらって嬉しいことを他人にもする。嫌なことはしないということが前提ではないでしょうか。
私も、ネットショップではありますが、人と人との繋がりを意識して経営をしていきたいですね。
最後にもう一度復習します。
経営が上手く行っているお寺が行っていることは
1.住職の人柄がよく、好奇心が強い
2.お寺が開かれている
3.お寺の運営にITをフル活用
最後までお読みいただきありがとうございました!
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この記事を書いた人
DAISUKE YAJI
プロフィール
1999年3月 筑波大学第一学群自然学類数学科卒業
1999年4月 株式会社セブン&アイHD入社
2011年10月 株式会社セブン&アイHD退社
2011年11月 有限会社谷治新太郎商店入社
2012年12月 有限会社谷治新太郎商店代表取締役就任
2019年 カラーミーショップ大賞2019にて地域賞(東京都)
2020年 カラーミーショップ大賞2020にて優秀賞
2023年 ネットショップグランプリ特別賞授賞
義父・義母・義妹・妻・長男・長女・次女・猫3匹の大所帯
最近NVANを5年リースで手に入れたのでソロキャンプや車中泊に挑戦したい